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相続手続の流れと概要を
司法書士が徹底解説!

相続手続きの流れと概要を司法書士が徹底解説

予想以上に大変!相続手続き!

CASE1

「うちはそんなに財産もないし、相続手続きなんて通帳の解約をするだけ」と考えていたけど、これが想像以上にすごい大変だった!

役所とか金融機関ってどうして平日の昼間にしかやってないの?この時代に!私だって仕事しているんだから、そんなに時間ないのよ!

しかも、私も相続手続に慣れていないから上手く説明できず、行くたびに書類の数が増えたり、書き方の不備があったり、何度も何度も同じところに足を運ぶことになってしまった。


CASE2

老後は札幌にいて、私と一緒に住んでいた父だけど、数年前までは地方に住んでいた。

そこに地方にしかない信金にまだ預金が残っていたり。。。そこと連絡をとって、相続人全員と連絡を取って。。。全員と連絡といってもみんな札幌に住んでいる訳じゃないから、やっぱり書類を郵送したり。。。大事な書類だから書留にしなきゃいけないのね。じゃあこれ、郵便局に行かなきゃいけない?またなんて手間がかかる。


有休も取らなくちゃ。
始めは「大変だね」と言っていた会社の人たちも最近は私が有給の申請を出すと「え?また?」という雰囲気になってきた。

でも仕方ないじゃない。昼休みに抜け出せるような環境にないんだから!


CASE3

そんなに財産がないといっても一緒に住んでいた、札幌のマンションは父の名義になっている。これ名義変更しなきゃね。相続登記って言ったっけ?

これがまた、相続人全員のハンコをもらって…。手間がかかる、なんてものじゃない!私と父が一緒に住んでいた札幌のマンションだから、お葬式のときは私がそこに住み続けるのは当然、と言っていた相続人たちが、マンションは私が住んでいいけど、その分のお金を払ってほしいと言ってきた。

え?そうなの?前に行っていたことと違うじゃない!どうも私が手続きに時間を取られている間に色々調べていたらしい。なんか冷たいよね。。。

父が亡くなった悲しさからまだ立ち直っていないのに、こんな山のような相続関連の手続きをしているっていうのに、何もしていない人から、そんな事言われるとショックだよね。。。人間不信におちいりそう。


CASE4

『じいちゃんの借金なんて関係ないよ』そう思ってたけど、違うのかい?今まで俺のところに請求書も来ていないよ。

だって葬式だのなんだのって、仕事忙しい時に休んだからその後も大変だったんだよ?放っておいたら借金を俺が払わなきゃいけないの?マジかよ。無理だよ。これから子供たちの教育費だってかかるんだよ。どうすればいいの?

相続放棄っていう制度があるのか!相続放棄に期限があるの?放棄したら不動産や預金はもらえないの?じゃあどうすればいいんだい?どうにかしてくれよ!

これは、相続手続きでよくあることです。しかもこれは各種ポイントの複雑な例からみると問題点の少ない状態です。

相続手続きは、書類を書くだけ簡単。と思われている方も多いのですが、よく調べてから動かないと予定外の事に遭遇し、必要以上に時間を取られる。気付いていない相続財産があり数年後に困る事態が発生する。身内の関係がギクシャクする。などの原因になる事もあります。

この記事では相続手続きにお困りの方でもスムーズ手続きを行えるように相続手続きのスケジュールと手続概要をわかりやすく解説しております。

事前に用意する書類と
主な相続手続き

相続手続きを行うにあたり、様々な書類を提出する必要があります。まずは下記の書類をご用意の上、相続手続きを進めていきましょう。
また主な相続手続きについても確認しておきましょう。

事前に用意する書類と主な相続手続き
亡くなった方

〇住民票の除票又は戸籍の附票 
〇死亡診断書
〇戸籍謄本(死亡の記載のあるもの)

相続人の方 〇実印 〇印鑑登録証明書
〇戸籍謄本 〇身分証明書
主な相続手続き

〇死亡届 〇死体火葬許可申請
〇厚生年金の受給停止手続き
〇国民年金の受給停止手続き
〇各種医療保険の手続き
〇介護保険の手続き
〇世帯主変更届(住民異動届)
〇公共料金の解約、名義変更
〇NHK受信契約の解約、名義変更
〇クレジットカードの解約
〇インターネット契約の解約
〇携帯電話、固定電話の解約
〇自筆証書・公正証書遺言の調査
〇遺言の検認申立
〇相続人の調査(戸籍収集)
〇相続財産の調査
〇相続放棄又は限定承認申立
〇所得税の準確定申告
〇遺産分割協議
〇不動産の名義変更(相続登記)
〇預貯金の解約 〇株式等の名義変更
〇自動車の名義変更 〇遺産の分配
〇相続税の申告

1.相続手続きの流れと手続きの期限

相続手続きについて、大まかな流れと簡単な手続き方法について解説いたします。相続手続きは死亡届の提出から相続税の申告まで手続きは多岐にわたります。

特に手続きに期限があるものがあり、期限を過ぎてしまうとトラブルに発展したり、手続きが複雑になってしまいます。そのような事態を防ぐために相続手続きの流れや期限をしっかりと把握しておくことが重要になってきます。

1-1.死亡から7日以内に行う手続き

ご家族が亡くなった場合、死亡届を市区町村役場に提出する必要があります。また、ご遺体を火葬する必要もありますので、火葬許可申請も併せて行います。

  1. 医師から死亡診断書又は死体検案書を受けとる
  2. 死亡届を役場に提出する
  3. 死体火葬許可申請
1-1-1.死亡届

【死亡届の提出】

  • 死亡診断書又は死体検案書の原本を添付
  • 届出人→親族、同居人、家主、地主、後見人、保佐人、補助人、任意後見人など
  • 提出する人→提出するのはどなたでも可能
  • 提出期限→死亡の事実を知った日から7日以内
  • 提出先→亡くなった方の死亡地・本籍地又は届出人の所在地の市区町村役場

<ポイント>

  • 死亡診断書又は死体検案書は原本を提出するため、多めにコピーを取っておきましょう。
  • 死亡届の提出は葬儀社が行ってくれるケースが多いようです。葬儀社に確認しましょう。
  • 死亡届の提出により戸籍及び住民票に死亡の事実が反映されます。

<参考>

1-1-2.火葬許可申請

【火葬許可申請の提出】

  • 上記死亡届と同時に提出する
  • 届出人→火葬を行なう者
  • 提出先→死亡届を提出した市区町村役場
  • 役場から死体火葬許可証を受け取る

1-2.死亡から14日以内に行う手続き

亡くなられた方が年金受給者であった場合は、受給停止の手続きを行います。また、国民健康保険や介護保険などの資格喪失届などの社会保険関係の手続きを行います。特に期限はありませんが、公共料金などの解約を忘れると料金が発生するもの、免許証やパスポートなどの返却が必要なものについても早めに手続きを行いましょう。

  • 厚生年金の受給停止手続き(10日以内)
  • 国民年金の受給停止手続き
  • 各種医療保険の手続き
  • 介護保険の手続き
  • 世帯主変更届(住民異動届)
  • 公共料金の解約、名義変更
  • NHK受信契約の解約、名義変更
  • クレジットカード、メンバーカードの解約
  • インターネット契約の解約、名義変更
  • 携帯電話、固定電話の解約、名義変更
  • 運転免許証の返納
  • パスポートの返納
  • 各種通信販売サービスの解約
1-2-1.厚生年金・国民年金の受給停止手続き

【厚生年金・国民年金の受給停止手続き】

  • 亡くなった方の年金証書、死亡の事実を明らかにできる書類(戸籍謄本、死亡診断書又は死体検案書のコピーなどを添付
  • 届出人→配偶者、子、その他親族など
  • 提出期限→厚生年金は10日以内、国民年金は14日以内
  • 提出先→年金事務又は街角の年金相談センター(全国どこでも手続きが可能)
  • 郵送での手続きも可能

<ポイント>

  • 未支給年金がないか同時に調べてもらいましょう。
  • 遺族年金の支給についても同時に相談するとスムーズです。
  • 年金事務所は大変混雑しているので、事前に予約し訪問します。予約の際は未支給年金の有無、遺族年金についても相談したいことも伝えておきましょう。

<参考>

1-2-2.各種医療保険の手続き

【後期高齢者医療保険の手続き】

  • 高齢者医療被保険者資格喪失届、後期高齢者医療被保険者証、後期高齢者医療限度額適用認定証または限度額適用・標準負担額減額認定証(お持ちの場合のみ)、死亡の事実を明らかにできる書類(戸籍謄本、死亡診断書又は死体検案書のコピーなど)、相続人の印鑑、免許証などの本人確認書類、委任状(代理人が手続きをする場合)、葬祭を行った方の氏名がわかる書類、相続人の預金通帳などを持参する
  • 提出期限→死亡日から14日以内
  • 提出先→亡くなられた方の住所地の市区町村役場
  • 代理人による手続きも可能

<ポイント>

  • 高額療養費が発生している場合は、相続人に支払われます。
  • 保険料を納めすぎている場合は、相続人に支払われます。
  • 未納保険料がある場合は、相続人が不足分を納める必要があります。
  • 葬祭費支給の申請も併せて行います。札幌市の場合は30,000円が支給されます。

<参考>

【国民健康保険の手続き】

  • 国民健康保険被保険者資格喪失届、国民健康保険被保険者証(世帯主が亡くなった場合は加入者全員分)、他の加入者の被保険者証(世帯主の方が亡くなった場合)、高齢受給者証(お持ちの場合のみ)、医療限度額適用認定証または限度額適用・標準負担額減額認定証(お持ちの場合のみ)、死亡の事実を明らかにできる書類(戸籍謄本、死亡診断書又は死体検案書のコピーなど)、相続人の印鑑、免許証などの本人確認書類、委任状(代理人が手続きをする場合)、葬祭を行った方の氏名がわかる書類、相続人の預金通帳などを持参する
  • 提出期限→死亡日から14日以内
  • 提出先→亡くなられた方の住所地の市区町村役場
  • 代理人による手続きも可能

<ポイント>

  • 高額療養費が発生している場合は、相続人に支払われます。
  • 保険料を納めすぎている場合は、相続人に支払われます。
  • 未納保険料がある場合は、相続人が不足分を納める必要があります。
  • 葬祭費支給の申請も併せて行います。札幌市の場合は30,000円が支給されます。

<参考>

1-2-3.介護保険の手続き

【介護保険の手続き】

  • 介護保険資格喪失届、介護保険被保険者証、介護保険負担限度額認定証(お持ちの場合のみ)、死亡の事実を明らかにできる書類(戸籍謄本、死亡診断書又は死体検案書のコピーなど)、相続人の印鑑、免許証などの本人確認書類、委任状(代理人が手続きをする場合)、葬祭を行った方の氏名がわかる書類、相続人の預金通帳などを持参する
  • 提出期限→死亡日から14日以内
  • 提出先→亡くなられた方の住所地の市区町村役場
  • 代理人による手続きも可能

<ポイント>

  • 保険料を納めすぎている場合は、相続人に支払われます。
  • 未納保険料がある場合は、相続人が不足分を納める必要があります。

<参考>

1-2-4.世帯主変更届(住民異動届)

【世帯主変更届(住民異動届)】

  • 住民異動届、国民健康保険被保険者証(お持ちの場合のみ)、手続きする方の印鑑、免許証などの本人確認書類、委任状(代理人が手続きをする場合)
  • 届出人→変更後の世帯主や同一世帯人
  • 提出期限→死亡日から14日以内
  • 提出先→亡くなられた方の住所地の市区町村役場
  • 代理人による手続きも可能

<ポイント>

  • 世帯主がお一人の場合→届出不要
  • 夫と妻の2人世帯の場合で世帯主である夫が亡くなられた場合→届出不要
  • 夫、妻、未成年の子の3人世帯で世帯主である夫が亡くなった場合など新たな世帯主が明らかな場合→届出不要
1-2-5.公共料金や各種サービスの解約・名義変更

電気、水道、ガスなどの公共料金やNTT、NHK、クレジットカード、インターネット回線など各種サービスの解約や名義変更の手続きを行いましょう。特に期限はありませんが、預貯金口座の口座凍結により、支払いが滞ったり、後回しにすることで無駄な出費が発生することもあります。各サービスの問い合わせ窓口に確認し、お手続きをします。

【公共料金】

<水道>

<電気>

<ガス>

<NHK>

【各種サービス】

<NTT>

<携帯電話>

<クレジットカード>

  • 各クレジットカード会社に解約の旨を連絡。
  • クレジットカード裏面や利用明細書に問い合わせ先の電話番号が記載されています。
  • クレジットカードの未払金は相続人が支払う必要があります。
  • クレジットカードの利用明細から定期的に請求されるサービスはないか確認しておきましょう。

<運転免許証>

  • 亡くなられた方の運転免許証の返納義務はありません。
  • 運転免許証の有効期限が満了していない場合は更新の通知が届くこととなります。
  • 上記通知をとめる場合は運転免許証を返納する必要があります。
  • 返納する運転免許証、戸籍などの死亡を証する書面、申請する方の本人確認しょるいを持参する。
  • 最寄りの警察署又は運転免許センターにて手続きをすることとなります。

<パスポート>

  • 返納手続きの際に故人のパスポートを手元に残しておきたいと申し出れば、使用できないよう処理をして、ご家族のもとに返してもらうこともできます。
  • 返納するパスポート、戸籍・住民票の除票などの死亡を証する書面、申請する方の本人確認書類を持参する。
  • 北海道パスポートセンター

<その他>

  • その他の定期的な支払いが発生するサービスについては、預貯金の通帳やクレジットカードの明細から確認しましょう。また、携帯電話料金と支払いが合算されているサービスもありますので携帯電話の利用明細も念のため確認します。
  • 代表的なものとして、新聞、インターネット回線、トドック、牛乳、ヤクルト、スポーツクラブ、健康食品、化粧品、動画配信サービス、雑誌など。

1-3.死亡から3か月以内に行う手続き

被相続人のプラスの財産、マイナスの財産を含め相続しない場合には、被相続人の死亡から3か月以内に家庭裁判所に相続放棄の申述をする必要があります。ただ、被相続人が遺した財産を調査する必要があります。また、被相続人が遺言書を残している可能性がありますので、併せて遺言書の調査も必要となってきます。この時点で法定相続人の調査も進めていく必要があります。

  • 自筆証書、公正証書遺言の調査
  • 遺言の検認申立
  • 相続人の調査(戸籍収集)
  • 相続財産の調査
  • 相続放棄又は限定承認申立
1-3-1.自筆証書遺言・公正証書遺言の調査

被相続人が遺した財産を引き継ぐ方法は法定相続分による相続、遺言による相続、遺産分割協議による相続の3パターンあります。ただし、被相続人が遺言を残している場合は、基本的にはその内容に従って相続することとなります。もし、遺言の調査を怠り、手続きを進め、のちに遺言が発見された場合は相続手続きをやり直す必要が出てきますので、なるべく早いうちに遺言の調査を行いましょう。

【公正証書遺言の有無の調査】

  • 自宅の机、仏壇の引き出し、棚の中、金庫の中を入念に調査します。
  • 知り合いに司法書士、弁護士、行政書士がいる場合には、その方が保管している可能性があるので直接確認してみます。
  • 公正証書遺言には遺言検索システムがありますので、最寄りの公証役場にて簡単に有無の調査ができます。
公正証書遺言検索
請求できる人 相続人、その他法律上の利害関係のある人
必要書類 被相続人の戸籍、被相続と相続人の相続関係がわかる戸籍、法律上利害関係を証明する書類(相続人以外による場合)、本人確認資料、委任状(代理人による場合)、相続人の印鑑証明書(代人による場合)、印鑑
料金 無料
場所 最寄りの公証役場(全国どこでも手続き可能)

【自筆証書遺言の有無の調査】

  • 被相続人の机や仏壇の引き出し、棚の中、金庫の中を入念に調査します。
  • 知り合いに司法書士、弁護士、行政書士がいる場合には、その方が保管している可能性があるので直接確認してみます。
  • 自筆証書遺言保管制度(令和2年7月開始)により法務局に保管している可能性もあります。
  • 自筆証書遺言は裁判所の検認が必要となります。(自筆証書遺言保管制度を利用していた場合は検認は不要。)
  • 自筆証書遺言を見つけても、検認手続き経るまでは開封してはいけませんので注意が必要です。
検認申立て
申立人 遺言書の保管者又は発見した相続人
申立先 遺言者の最後の住所地を管轄する家庭裁判所
費用 収入印紙800円、郵便切手(家庭裁判所に確認)
必要書類 遺言者の出生から死亡までの連続した戸籍等、相続人全員の戸籍(相続関係により必要書類が変わります。家庭裁判所に要確認)
期限 遅滞なく
流れ

①申立
②相続人全員に検認期日の通知
③検認期日に遺言書を開封
④検認済証明書の交付

<ポイント>

  • まずは被相続人の自宅を調査しましょう。
  • 公正証書遺言であれば公証役場の遺言検索システムを利用します。
  • 自筆証書遺言であれば法務局の自筆証書遺言保管制度を利用していないかも確認してみます。
  • 自筆証書遺言が見つかっても絶対に開封はしないこと。
1-3-2.相続人の調査

相続手続きを進めていく中でもっとも大切で時間のかかる手続きが相続人の調査です。被相続人の出生から死亡までの戸籍を集めることで相続人が判明します。相続人の調査により判明した相続人全員で遺産分割協議して、誰がどの財産をどの割合で相続するかも決めていきます。また、不動産の名義変更や預貯金の解約、自動車の名義変更など様々な相続手続きに被相続人の出生から死亡までの戸籍や相続人の戸籍が必要となります。

【相続人の調査】

  • 被相続人の出生から死亡までの戸籍を集める。
  • 相続人の戸籍を集める。
  • 集めた戸籍を読み取り、相続関係説明図を作成する。
現在戸籍 今現在使用され、当該戸籍中に在籍しているものが存在する戸籍
除籍 婚姻や死亡により当該戸籍中に在籍しているものが全員いなくなった戸籍
改製原戸籍 法改正により戸籍の様式が改められた場合、その改正前の戸籍

【法定相続人と法定相続分】

配偶者は常に相続人となります
配偶者以外の相続人が複数人いる場合には、その人数で均等に割ります。

相続順位 親族の種類 相続分 配偶者の相続分
第一順位 2分の1 2分の1
第二順位 直系尊属 3分の1 3分の2
第三順位 兄弟姉妹 4分の1 4分の3

<ポイント>

  • 遺産分割協議は相続人全員の同意が必要となりますので相続人の調査はしっかりと行いましょう。
  • 自筆証書遺言の検認申立てにも被相続人の出生から死亡までの戸籍、相続人の戸籍が必要となります。
  • 不動産の名義変更、預貯金の解約、自動車の名義変更、死亡保険金の請求などの各種名義変更の手続きにも被相続人の出生から死亡までの戸籍、相続人の戸籍が必要となります。
1-3-3.相続財産の調査

相続手続きを行うにあたり、被相続人が遺した財産(相続財産)について、何がどのくらいあるのかを調査しないと実際に相続するのか、相続放棄をするのかといった判断はできません。また、相続放棄の期限は3か月と決まっているのでその期限までには相続財産の調査を済ませ、相続するのか相続放棄するのか判断ができる状態にしておきましょう。

【相続財産の調査】

  • 相続財産は被相続人が遺したプラスの財産(不動産、預貯金、株式、車など)以外にもマイナス財産(住宅ローン、カードローン、保証債務、未払の税金など)も含まれます。
  • 相続財産は被相続人が遺言を残していない場合には遺産分割協議の対象になるため、相続人全員の合意により、誰がどの財産をどの割合で引き継ぐかを決定します。
  • 生命保険金や死亡退職金は相続財産ではないため、受取人の固有の財産となります。つまり、遺産分割協議をしなくても受取人の財産となります。なお、みなし相続財産として課税対象となります。
プラスの財産

マイナスの財産

  • 不動産
  • 預貯金
  • 株式などの有価証券
  • 現金
  • 貸付金
  • ゴルフ会員権など
  • 住宅ローン
  • カードローン
  • クレジットカードの未払金
  • 医療費・入院費などの未払金
  • 保証債務、公共料金などの未払金
  • 税金など

<ポイント>

  • 被相続人の自宅を入念に調べましょう。
  • 不動産は権利証・登記簿謄本・不動産の納税通知書、預貯金は通帳・キャッシュカード、株式は証券会社からの案内文がないか調査します。
  • マイナスの財産は通帳、クレジットカード会社の利用明細、保証契約書、携帯電話の利用明細、医療費の請求書などがないか調査します。
1-3-4.相続放棄・限定承認の申立

相続財産の調査完了後、相続の方法を決定する必要があります。相続の方法には単純承認、相続放棄、限定承認の3つの方法があり、相続放棄と限定承認には3か月の期限がありますので注意が必要です。3か月を超えてしまうと、プラスの財産だけでなく、マイナスの財産も相続することとなるので借金などのマイナスの財産が多い場合は相続放棄や限定承認を検討しましょう。

<3つの相続方法>

  • 単純承認→プラスの財産もマイナスの財産も全て相続する
  • 相続放棄→相続人ではなくなる
  • 限定承認→プラスの財産を超えたマイナスの財産は負担しない
相続放棄

【相続放棄の申立】

  • 被相続人の不動産を売却したり、預貯金を解約して使ったり、その他財産を処分した場合は相続放棄はできません。
  • 原則、被相続人の死亡を知った日から3か月経過してしまうと相続放棄はできません。
  • 相続放棄が出来なくなってしまう行動が他にもありますので、司法書士や弁護士などの専門家に相談の上、手続きを進めましょう。
申立人 相続放棄を希望する相続人
申立先 被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所
費用 収入印紙800円、郵便切手(家庭裁判所に確認)
必要書類 申述書、被相続人の戸籍等、被相続人と相続人のつながりがわかる戸籍、被相続人の住民票の除票又は戸籍の附票(相続関係により必要書類が変わりますので家庭裁判所に要確認。)
期限 相続開始があったことを知った日から3か月以内
流れ

①申立
②家庭裁判所から照会書が届く
③照会書に回答する
④家庭裁判所から相続放棄申述受理通知書が届く

<ポイント>

  • 相続放棄が完了したら相続放棄申述受理証明書を取得しましょう。
  • 相続放棄はマイナスの財産だけでなくプラスの財産も引き継がなくなるので、相続財産の調査は入念に行いましょう。
  • 3か月の期間制限があるので注意が必要です。
限定承認の申立

【限定承認の申立】

  • プラスの財産の範囲でマイナスの財産を引き継ぐ、相続方法です。
  • 相続人全員が共同で手続きをする必要があります。
  • 相続開始があったことを知った日から3か月以内に家庭裁判所に申し立てをする必要があります。
申立人 相続人全員が共同して行う
申立先 被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所
費用 収入印紙800円、郵便切手(家庭裁判所に確認)
必要書類 申述書、被相続人の出生から死亡までの戸籍等、相続人の戸籍、被相続人の住民票の除票又は戸籍の附票(相続関係により必要書類が変わりますので家庭裁判所に要確認。)
期限 相続開始があったことを知った日から3か月以内

<ポイント>

  • 手続き完了まで1年程度かかる可能性があります。
  • 非常に複雑な手続きを経る必要があるため専門家に協力してもらったほうが良いです。
  • 相続人が複数人いる場合に1人の相続人から限定承認はできないので注意が必要です。

1-4.死亡から4か月以内に行う手続き

被相続人が確定申告をする必要がある場合には、亡くなった日から4か月以内に所得税の準確定申告を行う必要があります。

  • 所得税の準確定申告
所得税の準確定申告

【所得税の準確定申告】

  • 確定申告が必要な方が亡くなった場合に行う。
  • 亡くなった日から4か月以内に行います。
  • 相続人が複数人いる場合には連署して申告書を提出する必要があります。

1-5.死亡から10か月以内に行う手続き

相続人の調査、相続財産の調査が終わったらいよいよ遺産分割協議を行います。遺産分割協議は相続人全員の同意により、被相続人の財産を誰が何をどんな割合で相続するか決定する話合いです。遺産分割協議により決まった内容に従って、不動産の名義変更、預貯金の解約、株式の名義変更、自動車の名義変更、相続税の申告を行っていきます。

  • 遺産分割協議
  • 不動産の名義変更(相続登記)
  • 預貯金の解約
  • 株式等の名義変更
  • 自動車の名義変更
  • 遺産の分配
  • 相続税の申告
遺産分割協議

【遺産分割協議】

  • 相続財産について「誰が」「何を」「どんな割合で」相続するかを決める。
  • 相続人全員の同意がないと協議は無効となります。
  • 相続人全員が一堂に会する必要はなく、電話や手紙等で問題ありません。
  • 協議が成立したら遺産分割協議書を作成します。
  • 相続人の中に認知症の方や未成年者、行方不明者がいると協議ができません。
3つの遺産分割の方法
現物分割 個々の遺産を現物のまま相続人に分配する分割方法。
代償分割 相続人の一部が遺産を引き継ぎ、その分の金銭を他の相続人に支払う分割方法。
換価分割 遺産を売却し、金銭に換え、その金銭を相続人の間で分ける分割方法。

<ポイント>

  • 協議が成立したら遺産分割協議書を作成すること。
  • 遺産分割協議は相続人全員で行う必要がある。
  • 認知症の方には成年後見制度を利用し、未成年者には特別代理人を選任する。
1-5-1.不動産の名義変更(相続登記)

被相続人が所有していた土地・建物などの不動産は法務局に登記申請をすることにより相続人に名義が変更されます。一般的に相続を原因とする不動産の名義変更を「相続登記」と呼びます
被相続人の死亡により勝手に名義が変わることはありませんのでご注意ください。

不動産の名義変更(相続登記)

【不動産の名義変更(相続登記)】

  • 相続登記には、①遺産分割協議による方法、②遺言書による方法、③法定相続分による方法があります。
  • ①の遺産分割協議による相続登記が最も多く利用されています。
  • 2024(令和6年)年4月1日より相続登記が義務化されます。
  • 遺産分割協議による相続登記で必要となる書類は以下の通り。
必要書類
  • 被相続人の出生から死亡までの戸籍
  • 被相続人の住民票の除票又は戸籍の附票
  • 相続人全員の戸籍
  • 遺産分割協議書
  • 相続人全員の印鑑登録証明書
  • 不動産を相続する方の住民票又は戸籍の附票
  • 固定資産評価証明書又は納税通知書
  • 不動産登記申請書
費用
  • 戸籍謄本等の実費
  • 登録免許税
  • 司法書士への報酬(依頼する場合のみ)
流れ
  1. 不動産情報の調査
  2. 必要書類の取得
  3. 登記申請書の作成
  4. 登記申請
  5. 登記完了
  6. 完了書類の受領

<ポイント>

  • 相続登記はご自身でもできますが、非常に複雑なため司法書士に依頼することも検討しましょう。
  • 2024(令和6年)年4月1日に相続登記が義務化されます。現在発生している相続も対象となるので早めに手続きを開始しましょう。
  • 相続した不動産の売却を検討している場合、被相続人の名義のままでは売却はできないので必ず相続登記をする必要があります。
1-5-2.預貯金・株式等の解約・名義変更

被相続人が預貯金や株式などの有価証券を持っていた場合には金融機関が定めた手続きを経て、解約や名義変更をすることとなります。
手続きは金融機関毎に異なりますので、まずは問い合わせをし、手続きの流れを確認します。

預貯金の解約

【預貯金の解約】

  • 金融機関毎に手続きの方法が異なるので必ず問い合わせの上、手続きを進めましょう。
  • 一般的には受付はどこの支店でも対応していただけますが、相続専用の窓口を設けている金融機関があります。
  • 基本的な手続の流れや必要書類は以下の通りとなります。
必要書類
  • 被相続人の出生から死亡までの戸籍
  • 相続人全員の戸籍
  • 遺産分割協議書
  • 相続人全員の印鑑登録証明書
  • 本人確認書類
  • 解約金の入金口座の情報
  • 解約する通帳、キャッシュカード
流れ
  1. 金融機関に死亡の連絡
  2. 残高証明書及び取引履歴の取得
  3. 遺産分割協議
  4. 金融機関又は郵送にて金融機関所定の書類に記載
  5. 必要書類の提出
  6. 解約金の入金

<ポイント>

  • 残高証明書及び取引履歴の取得は1人の相続人が単独で手続きができます。
  • 解約や名義変更は相続人全員の同意のよる、手続きが必要となります。
株式等の名義変更

【株式等の名義変更】

  • 証券会社毎に手続きの方法が異なるので必ず問い合わせの上、手続きを進めましょう。
  • 一般的には受付はどこの支店でも対応していただけますが、相続専用の窓口を設けている金融機関があります。
  • 基本的な手続の流れや必要書類は以下の通りとなります。
必要書類
  • 被相続人の出生から死亡までの戸籍
  • 相続人全員の戸籍
  • 遺産分割協議書
  • 相続人全員の印鑑登録証明書
  • 本人確認書類
  • 名義変更後の口座の情報
流れ
  1. 証券会社に死亡の連絡
  2. 残高証明書及び取引履歴の取得
  3. 遺産分割協議
  4. 証券会社の口座を作成
  5. 金融機関又は郵送にて金融機関所定の書類に記載
  6. 必要書類の提出

<ポイント>

  • 残高証明書及び取引履歴の取得は1人の相続人が単独で手続きができます。
  • 解約や名義変更は相続人全員の同意のよる、手続きが必要となります。
1-5-3.自動車の名義変更

被相続人が自動車を所有していた場合には名義変更をする必要があります。
普通自動車と軽自動車では必要書類や手続きが異なりますので注意しましょう

自動車の名義変更

【自動車の名義変更】

  • 「道路運送車両法」には、所有者が変わった場合には15日以内に手続きをしなければならないと定められているが、実際は期限を過ぎて手続きをしても罰則を課されることはないでしょう。
  • 名義変更をしていないと売却したり、自動車保険に加入できないなどトラブルに発展する可能性があるので速やかに手続きをします。
  • 自動車を相続する方の住所地を管轄する運輸支局にて手続きを行う。
  • 被相続人の住所と自動車を相続する方の住所が異なる場合には車庫証明が必要となります。
  • 遺産分割協議による相続登記で必要となる書類は以下の通り。
必要書類
  • 登録申請書               
  • 車検証
  • 被相続人の出生から死亡までの戸籍
  • 相続人の戸籍
  • 遺産分割協議書
  • 自動車を相続する方の印鑑登録証明書
  • 車庫証明(必要な場合のみ)

相続手続きは自分でもできます。ですが…

相続手続きは非常に複雑で時間がかかる手続きです。また仕事や家事で忙しい合間に手続きをするのはとても労力がいることです。

  • 自分で手続きしようとしたが挫折した…
  • 予期せぬ相続人が現れた…
  • 相続人の一人が認知症で困っている
  • 故人の財産を全部把握できない

など「どうしたらいいか分からない」という事態に陥りやすいのが相続手続きです。

率直に言わせていただくと、これらは初めてやる方にはとても大変な作業です。

時間も手間もかかります。相続人が知らない預貯金や不動産を調査しなければ数年後に困った事態が発生することが多くあります。

面倒で複雑な相続手続き
経験豊富な司法書士のお任せください

そんな面倒で複雑な相続手続きを相続の専門家である司法書士が、一括してお引き受けするサービスです。相続人調査(戸籍収集)や遺産分割協議書の作成、預金口座や不動産の名義変更などの相続手続きをまとめて代行いたします。

サービス内容
サービス内容
  1. 無料相談、無料出張相談
  2. 戸籍謄本、住民票等の収集
  3. 相続人調査確定作業(戸籍調査収集・相続関係説明図作成) 
  4. 不動産謄本、評価証明書等の収集
  5. 金融機関からの残高証明書等の取得
  6. 財産目録、遺産分割案の作成
  7. 遺産分割協議立会い、中立な立場でのアドバイス
  8. 遺産分割協議書の作成
  9. 不動産の名義変更(相続登記)
  10. 銀行、証券等の口座解約手続き
  11. 相続税簡易診断
  12. その他各種相続手続
  13. 他の専門家のご紹介

無料相談・無料出張相談も行っています!

相続発生後、早めに手続きを行わないと相続関係が複雑化したり、他の相続人と揉め事になったり、環境の変化などにより、手続きが難しくなってしまう恐れがあります。そのため相続が発生したらなるべく早いうちから相続手続を開始することをお勧めしております。

「こういう場合はどうすればいいの?」「困ったことが起きてしまった」というご相談を無料で受けております。何をすればいいか分からない。どう進めていいか分からない。生き別れの相続人がいるはず。などでもご不安なことがあれば、まずは無料相談をご利用ください。

依頼する、依頼しないは、無料相談後にお決めいただけます。もちろん守秘義務もございますし、無料相談後しつこく営業の連絡をすることもありません。

ここまで読まれた方は、きっと相続手続きで分からないことがあり、どうすればいいか気になっているのではないでしょうか?

または、今後のために知っておきたい、というお気持ちかもしれません。今現在お困りの方はもちろんの事、いざという時のために今からできることもお伝えできますので、まずは無料相談をご利用ください。

この記事を書いた人

司法書士・行政書士
福池達也

ふくちたつや司法書士・行政書士事務所代表の福池達也。司法書士の試験に合格後、札幌の司法書士法人に勤め、不動産登記・借金問題・過払い金の回収などをしていました。

そして、より一人一人のご相談者に寄り添った仕事をするために独立。家族が相続問題に直面し、ちょっとしたきっかけ、特に金銭がからむことで人間関係が悪くなる辛さを身をもって経験。

相続手続きの中でも特に分かりにくい、煩雑な手続きが必要になる相続登記をまるごとお任せいただけるサービスを行っている。

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運営:ふくちたつや司法書士・行政書士事務所
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住所 〒060-0003 北海道札幌市中央区北三条西七丁目1-1SAKURA-N3
電話番号 011-206-4217
FAX番号 011-351-5809
受付時間 9:00~18:00
定休日 土曜・日曜・祝日
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