運営:ふくちたつや司法書士・行政書士事務所

〒060-0003 北海道札幌市中央区北三条西七丁目1-1SAKURA-N3
(札幌市営地下鉄 さっぽろ駅10番出口から徒歩7分)

お気軽にお問合せください

受付時間:9:00~18:00
定休日:土曜・日曜・祝日

通話料無料!お問合せ・ご相談はこちら

0120-949-705

相続人以外に財産を引き継ぎたい!
遺贈にかかる税金や手順、注意点を解説

相続人以外に財産を引き継ぎたい! 遺贈にかかる税金や手順、注意点を解説

相続人以外に財産を引き継ぎたい!
遺贈にかかる税金や手順、注意点を解説

こんにちは。【札幌相続遺言プラザ】ふくちたつや司法書士・行政書士事務所の福池達也です。

人生の終わりについて考え、備えておく「終活」は、認知度が高まっています。終活のなかでも、残った遺産をどうするのか明記する「遺言書」は、相続トラブル防止にも役立つものでしょう。例えば、孫や内縁の妻など法定相続人ではない人へ遺産をゆずりたい場合は、遺言書がなければ実現できません。効力のある遺言書により「遺贈」が可能になり、指定した人へ遺産をゆずれます。

この記事では、相続人以外に財産を引き継ぐ「遺贈」の手順や注意点を解説します。

遺贈とは?

遺贈とは?

遺産を引き継ぐ方法には、相続や贈与、遺贈といくつか存在します。ここでは遺贈・相続・贈与の違いやメリット・デメリットを紹介します。

相続との違い

相続とは、亡くなった人の遺産や権利義務を、法定相続人へ承継することです。遺言書がなくても、自動的に相続人へ引き継がれます。

一方で遺贈は、遺言書を作成する必要があり、遺贈する人に決まりはありません。NPO法人や病院、寄付、個人などを指定して財産をゆずれます。

贈与(生前贈与や死因贈与)との違い

贈与とは、生前や亡くなったあとに、双方の同意のもとで財産を譲渡する方法です。遺言書は必要ありません。遺贈と贈与の大きな違いは、受け取り側の同意が必要かどうか、放棄ができるかどうかです。

贈与は双方の同意があるため、受け取り側は放棄できません。遺贈は、受け取り側の同意がなくても、遺言書に記載されていれば有効です。また、受け取り側は、相続放棄をすることで、遺贈を受け取らずに済みます。

また、贈与は贈与税、遺贈は相続税の対象となります。

遺贈を受け取れる「受遺者」とは

遺贈する人を「遺贈者」、遺贈を受け取れる人を「受遺者」と呼びます。
例えば、Bさんの遺言書に「孫Aに現金1,000万円を遺贈する」と書かれていた場合は、Bさんが遺贈者かつ遺言者、孫Aさんが受遺者です。

また、遺贈を実行する義務を負う人を「遺贈義務者」といい、原則相続人全員が責任を負います。遺言書に遺言執行者を指定していれば、遺言執行者が遺贈義務者です。

遺贈・贈与・相続は、意味合いが違うように呼び方も異なります。贈与の場合、贈与する人は「贈与者」、贈与で受け取る人は「受贈者」です。相続の場合、遺産を渡す人は「被相続人」、遺産を受け取る人は「相続人」といいます。

遺贈のメリット

遺贈のメリットは、以下の2つが挙げられます。

  • 法定相続人以外の人へ遺産をゆずれる
    相続は、原則法定相続人にしか財産をゆずれません。
    遺贈であれば、法定相続人以外の人や法人に財産をゆずれます。例えば、生前にお世話になった人がいた場合に、「遺贈」という形で感謝の気持ちを伝えられるのは大きなメリットでしょう。
  • 受遺者は放棄できる
    また、遺贈は放棄ができるので、一方的な押しつけになりません。遺贈された財産が負債を抱えていた場合、受遺者は負債を相続する義務はありません。

遺贈のデメリット

遺贈のデメリットは、相続よりも税負担が高くなることです。現金以外の財産を遺贈する場合、受遺者は高額な相続税を負担する可能性があります。

また、遺贈には遺言書が必要ですが、無効になるケースもあります。自筆証書遺言の場合は、手書きで作成する必要があります。パソコンで作成したり、署名押印を忘れたりすると、遺言書が無効になるため注意が必要です。

遺贈は「特定遺贈」「包括遺贈」の2種類

遺贈は「特定遺贈」「包括遺贈」の2種類

遺贈は、「特定遺贈」と「包括遺贈」の2種類があります。ここからは、それぞれの遺贈方法を紹介します。

特定遺贈とは

遺産のうち特定のものを指定して、財産をゆずる方法です。「土地Bを孫Aに遺贈する」のように、財産を特定して遺贈できます。原則プラスの財産のみ対象になるため、借金などのマイナスの財産を引き継ぐ必要がありません。

包括遺贈とは

包括遺贈とは、遺言によって財産の全部または一部を、特定の人物に割合で譲渡する方法です。例えば「遺産の半分を、内縁の妻Aに遺贈する」というように、遺産全体のうちの何割を譲渡するかを決めます。

包括遺贈の場合、遺産の中に借金も含まれるため、注意が必要です。借金も含めて譲渡された場合は、受遺者も借金を負うことになります。

また、包括遺贈の場合は、遺産分割協議に参加しなければいけません。民法において、包括受遺者は相続人と同一の権利を有すると定められているからです。

遺贈は放棄できる

遺贈は放棄できる

遺贈は、贈与と違い放棄できる点が大きな違いです。放棄の方法は、包括遺贈と特定遺贈では異なるので注意しましょう。ここからは、遺贈の放棄方法と期限を紹介します。

特定遺贈の放棄方法と期限

特定遺贈を放棄するには、遺贈義務者である遺言執行者あるいは相続人に、意思表示をするだけで行えます。期間の定めも設けられていません。トラブル防止のために、内容証明で遺言執行者へ文書を送ると安心です。

包括遺贈の放棄方法と期限

一方、包括遺贈を放棄するには、事実を知った時点から三ヶ月以内に手続きをしなければなりません。放棄方法は、遺贈があったとわかる書類と申述書を、遺言者が亡くなった人の住所地を管轄する家庭裁判所に提出します。期限を過ぎると、承認したとみなされて放棄が行えません。放棄する場合は、速やかに手続きを行いましょう。

遺贈にかかる税金

遺贈にかかる税金

相続財産が相続税の基礎控除を超えると、遺贈には相続税が発生します。相続税以外にも、遺産の中に不動産が含まれる場合は不動産取得税や登録免許税、法人が財産を引き継ぐ場合は法人税がかかります。ここからは、遺贈にかかる税金を紹介します。

相続税は、2割増しになる

遺贈を受けた場合、相続税が課せられる場合があります。

相続税は、被相続人の財産を相続した人が、基礎控除額を超えた部分に対して納める税金です。基礎控除額は、3,000万円に法定相続人1人あたり600万円を加えた額です。

法定相続人以外の人に遺贈した場合、相続税は、法定相続人が納める相続税の2割増しになります。

例えば、夫婦と2人の子供がいる家庭で、夫が亡くなったとします。このとき、妻と2人の子供が法定相続人となります。そのため、基礎控除額は「3,000万円+1,800万円(600万円×3人)=4,800万円」です。夫の遺産が4,800万円を超えた場合、相続税が課せられます。

夫の遺産が4,800万円を超えてかつ孫に遺贈するとなれば、孫は法定相続人が納める相続税の2割増しの税金がかかるとなります。

不動産取得税がかかるケース

不動産取得税は、不動産を取得した際にかかる税金です。相続の場合は、非課税となるため税金はかかりません。不動産取得税は、固定資産税評価額に税率をかけて算出します。税率は、土地および住宅は3%、住宅以外の建物は4%です。

登録免許税がかかるケース

登録免許税は、法定相続人であってもそうでなくても発生します。

法定相続人に相続した場合は、「不動産の評価額×4/1000」
法定相続人以外に遺贈する場合は、「不動産の評価額×20/1000」がかかります。

遺贈の手順

遺贈の手順

遺贈を選択した場合、どういった手順を行えば良いでしょうか。ここからは遺贈の手順を紹介します

専門家に相談する

遺贈を行うと決めたら、専門家に相談すると良いでしょう。法定相続人以外の人が受遺者となる場合、相続人とのトラブルに発展する危険性があります。遺産をどの割合で渡したいのか、割合は遺留分を考慮できているか、相談しながら決めると安心です。

遺言執行者を指定する

遺言執行者を選任して、その旨を遺言書に記載しましょう。遺言執行者とは、遺言書の内容を間違いなく実行するために、受遺者や法定相続人の代理人となって、相続手続きを行う権限を持つ人です。

遺言執行者の選任は、義務ではありません。しかし、法定相続人と受遺者の関係性が良好ではない場合、トラブルに発展する危険性もあるので遺言執行者がいると安心です。

遺言執行者は、未成年者と破産者以外であれば誰でも指定できます。司法書士や弁護士など第三者の立場である専門家を選任すると、公平かつスムーズに相続手続きが行えます。専門家に相談するとき、遺言執行者になって頂けないか依頼してみると良いでしょう。

遺言書を作成・保管する

遺贈には、遺言書の作成が必要です。遺言書は、「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」があります。

自筆証書遺言は、財産目録以外を直筆で作成しなければなりません。2020年からは法務局で保管が可能になりました。公正証書遺言は、証人2人以上の立会いのもと、公証人が遺言書の口述を筆記して作成し、公正役場で保管されます。遺贈の場合は、遺言書に以下の内容を書くようにしましょう。

  • 受遺者の名前もしくは法人や団体名など
  • 受遺者の生年月日
  • 住民票に登録している住所
  • 包括遺贈の場合は、遺贈する財産の割合
  • 特定遺贈の場合は、遺贈する財産名と詳細

ご逝去の通知後、遺言書を開示する

ご逝去されたら、遺言執行者へ通知します。遺言執行者は、遺言書の内容に沿って相続手続きを行います。

遺言書が自宅に保管されていた場合は、勝手に開封してはいけません。本人が保管していた自筆証書遺言は、家庭裁判所に提出して、相続人の立会いのもと遺言書を開封・確認します。

検認は、相続人に遺言の存在や内容を知らせる、遺言書の偽造、変造を防止するために行う手続きです。公正証書遺言や法務局で保管されていた自筆証書遺言は、検認の必要はありません。

遺言執行および財産の引渡し

遺言書の内容を確認したら、相続人や受遺者は財産を受け取るとどうか意思表示をします。遺産を受け取る場合は、遺言執行者が速やかに財産の引渡しを開始しましょう。遺産を受け取らず放棄する場合は、三ヶ月以内に家庭裁判所に申立なければなりません。

遺贈を行う場合の注意点

遺贈を行う場合の注意点

貸借物件や農地の場合、許可や承諾が必要になるケースがあります。ここからは、遺贈を行う場合の注意点を紹介します。

遺言書では、遺贈と相続を使い分ける

遺言書を作成する際、法定相続人に対しては「遺贈する」ではなく、「相続する」と表記しましょう。相続は遺贈よりも手続きが簡単です。

まず、不動産の移転登記が相続人単独でできるメリットがあります。相続される不動産が農地であっても、農地3条による許可が必要ありません。また、賃貸物件の場合は、民法612条における賃借人の承諾を得る必要がありません。

遺留分を考慮して遺言書を作成する

遺言書を作成する際には、遺留分を考慮する必要があります。遺留分とは、民法で定められた法定相続人の最低限の遺産取得分です。例えば、包括遺贈によって特定の受遺者に全財産をゆずる場合、法定相続人は遺留分の主張ができる「遺留分侵害請求」を行えます。

賃貸物件の遺贈は、賃借人の承諾が必要になる

賃貸物件を遺贈する場合、その土地や建物の所有権移転登記をする前に、賃借人の承諾が必要です。賃借人の承諾がないと、借地契約が解除されてしまう可能性があります。相続の場合は、承諾は必要ありません。

特定遺贈による農地を取得する場合は、許可が必要になる

法定相続人以外が特定遺贈により、農地を取得する場合は、農地法第3条※により、農業委員会の許可が必要です。相続人は、許可はいりません。同じく包括遺贈は、相続人と同一の権利義務を有するため、許可は不要です。代わりに、農地を管轄する農業委員会へ届け出が必要になります。

※農地法第3条 引用

『農地又は採草放牧地について所有権を移転し、又は地上権、永小作権、質権、使用貸借による権利、賃借権若しくはその他の使用及び収益を目的とする権利を設定し、若しくは移転する場合には、政令で定めるところにより、当事者が農業委員会の許可を受けなければならない。』

まとめ

この記事では、相続人以外に財産を引き継ぐ「遺贈」の手順や注意点を解説しました。最後の意思表示ができる遺言書は、無効ではない限り尊重される大切な書面です。遺産をゆずる方法はいくつかあり、それぞれ注意点もあるので、専門家に相談しながら準備を進めましょう。

相続手続きは自分でもできます。ですが…

相続手続きは非常に複雑で時間がかかる手続きです。また仕事や家事で忙しい合間に手続きをするのはとても労力がいることです。

  • 自分で手続きしようとしたが挫折した…
  • 予期せぬ相続人が現れた…
  • 相続人の一人が認知症で困っている
  • 故人の財産を全部把握できない

など「どうしたらいいか分からない」という事態に陥りやすいのが相続手続きです。

率直に言わせていただくと、これらは初めてやる方にはとても大変な作業です。

時間も手間もかかります。相続人が知らない預貯金や不動産を調査しなければ数年後に困った事態が発生することが多くあります。

面倒で複雑な相続手続き
経験豊富な司法書士のお任せください

そんな面倒で複雑な相続手続きを相続の専門家である司法書士が、一括してお引き受けするサービスです。相続人調査(戸籍収集)や遺産分割協議書の作成、預金口座や不動産の名義変更などの相続手続きをまとめて代行いたします。

相続発生後、早めに手続きを行わないと相続関係が複雑化したり、他の相続人と揉め事になったり、環境の変化などにより、手続きが難しくなってしまう恐れがあります。そのため相続が発生したらなるべく早いうちから相続手続を開始することをお勧めしております。

「こういう場合はどうすればいいの?」「困ったことが起きてしまった」というご相談を無料で受けております。何をすればいいか分からない。どう進めていいか分からない。生き別れの相続人がいるはず。などでもご不安なことがあれば、まずは無料相談をご利用ください。

依頼する、依頼しないは、無料相談後にお決めいただけます。もちろん守秘義務もございますし、無料相談後しつこく営業の連絡をすることもありません。

ここまで読まれた方は、きっと相続手続きで分からないことがあり、どうすればいいか気になっているのではないでしょうか?

または、今後のために知っておきたい、というお気持ちかもしれません。今現在お困りの方はもちろんの事、いざという時のために今からできることもお伝えできますので、まずは無料相談をご利用ください。

この記事を書いた人

司法書士・行政書士
福池達也

司法書士試験に合格後、司法書士法人にて研鑽。
家族の相続時、金銭により人間関係が悪くなる辛さを身をもって経験し、よりご相談者に寄り添った仕事をするために独立。相続手続をまるごとお任せいただけるサービスを行っている。

関連する記事のご紹介

こちらの記事を読んだ方には、下記の記事もよく読まれています。ご一読ください。
 

札幌で相続にお困りならふくちたつや司法書士・行政書士事務所へ
名称 札幌相続遺言プラザ
運営:ふくちたつや司法書士・行政書士事務所
代表者 司法書士・行政書士  福池 達也(ふくち たつや)
住所 〒060-0003 北海道札幌市中央区北三条西七丁目1-1SAKURA-N3
電話番号 011-206-4217
FAX番号 011-351-5809
受付時間 9:00~18:00
定休日 土曜・日曜・祝日
主なサービス 相続、生前対策(遺言、成年後見、信託)、離婚、会社設立
URL https://www.fukuchi-office.jp/

無料相談・お問合せはこちら

お気軽にお問合せください

お気軽にお問合せください

通話料無料!お電話でのお問合せはこちら

0120-949-705

営業時間:9:00〜18:00
休業日:土曜・日曜・祝日

時間外や土日でも電話に出られる場合は対応可能です。電話に出られなかった場合は、留守番電話になりますので、お名前とお電話番号を吹き込んでいただければこちらから折り返します。
折り返しの電話番号は、050-5527-2257となります。

お気軽にお問合せください

司法書士・行政書士福池達也

通話料無料!お問合せはこちら

0120-949-705

フォームでのお問合せ・ご相談予約は24時間受け付けております。お気軽にご連絡ください。

アクセス・受付時間

事務所案内
住所

〒060-0003 北海道札幌市中央区北三条西七丁目1-1SAKURA-N3

アクセス

JR札幌駅西口から徒歩10分
地下鉄さっぽろ駅10番出口から徒歩7分
地下鉄西11丁目駅4番出口から徒歩12分
地下鉄大通駅から徒歩14分
市電西8丁目駅から徒歩9分

受付時間

9:00~18:00

定休日

土曜・日曜・祝日

※フォームからのお問合せは24時間受付しております。

代表者ごあいさつ

司法書士・行政書士福池達也
福池 達也

親切・丁寧な対応をモットーとしておりますのでお気軽にご相談ください。 

公式LINE