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こんにちは。【札幌相続遺言プラザ】ふくちたつや司法書士・行政書士事務所の福池達也です。
ご家族が亡くなられた悲しみの中、間もなく「相続」という大きな手続きが始まります。しかし、ほとんどの方にとって相続は初めての経験。
「そもそも相続はいつから始まるの?」「何から手をつければいいのか分からない」「期限があると聞いたけど、間に合うだろうか…」といった不安や疑問が次々と湧いてくるのではないでしょうか。
本記事では、「相続開始」をテーマに、正確な定義から守るべき期限、具体的な手続きの流れ、専門家への相談ポイントまでを網羅的に解説します。円満な相続を進めるための、最初の一歩としてお役立てください。
相続開始日の定義や関連するポイントは以下のとおりです。
ここでは、相続開始日の定義について解説します。
結論から言うと、相続が開始するのは「被相続人(亡くなった方)の死亡の時」です。これは民法第882条に明確に定められています。
つまり、「相続開始日」=「被相続人が亡くなった日」と覚えてください。役所に死亡届を提出した日や、葬儀を行った日ではありません。医師が死亡診断書に記載した「死亡日時」が、法律上の相続がスタートする瞬間となります。
この相続開始日を基準に、亡くなった方の財産(預貯金、不動産、株式など)や債務(借金、ローンなど)は、すべて相続人のものとなります。
人が亡くなる状況は、病気や老衰による「自然死亡」だけではありません。法律では、行方不明や災害など、特殊な状況にも対応できるよう、相続開始日を定めるルールがあります。
特に失踪宣告の場合、実際に亡くなった日ではなく、法律で定められた期間が満了した時が相続開始日となる点がポイントです。
また、同時死亡と推定された場合、例えば父と子が同時に死亡したとみなされると、父と子の間では互いに相続は発生しません。
ここで、相続手続きにおいて最も重要で、混同しやすい2つの言葉の違いを明確にしておきましょう。
相続開始日(=死亡日)
意味:被相続人が亡くなった客観的な事実の日
起算点となるおもな手続き:相続税の申告(10ヶ月以内)など
相続の開始があったことを知った日
意味:①被相続人が亡くなった事実を知り、かつ②自分がその相続人になったことを知った日
起算点となるおもな手続き:相続放棄・限定承認(3ヶ月以内)
このように2つの基準日が設けられているのは、相続人を保護するためです。
例えば、長年疎遠だった親族が亡くなり、多額の借金を遺していたとします。死亡の事実を何年も後になってから知った場合、「死亡日」を基準に相続放棄の期限が決められていては、知らない間に期限が過ぎ、借金を背負わされてしまうことになります。
このような不利益を防ぐため、相続放棄のように相続人の意思決定が重要になる手続きでは、「自分が相続人になったことを知った日」という主観的な日が基準とされています。
この違いは、後述する期限の項目でさらに詳しく解説します。
相続開始日を起点とするおもな期限は以下のとおりです。
ここでは、相続開始日を起点とする期限について解説します。
相続には、プラスの財産だけでなく、マイナスの財産(借金など)も含まれます。もし借金の方が多い場合、相続人は「相続放棄」という選択ができます。
この相続するかどうかの判断をするための期間を「熟慮期間」といい、法律で定められています。
期限
自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内
やるべきこと
家庭裁判所に対して「相続放棄」または「限定承認」の申述を行う。
注意点
この3ヶ月を過ぎると、原則としてすべての財産と借金を無条件に受け継ぐ「単純承認」をしたとみなされます。
ここでの起算点は「死亡日」ではなく、前述の「知った日」である点に最大限の注意が必要です。
故人に借金があるか分からない場合、この3ヶ月以内に財産調査を終え、判断を下さなければなりません。
参照:相続の放棄の申述|裁判所
遺産の総額が基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超える場合、相続税が発生し、税務署への申告と納付が必要になります。
期限
相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月以内
やるべきこと
税務署への相続税申告書の提出と、相続税の納付。
注意点
起算点は「知った日」ですが、通常は同居の親族などがすぐに死亡の事実を知るため、実質的には「死亡日の翌日から10ヶ月以内」と考えるのが一般的です。期限を過ぎると、延滞税や無申告加算税といったペナルティが課せられます。
10ヶ月という期間は長く感じられるかもしれませんが、戸籍の収集、財産調査、遺産分割協議、申告書の作成など、やるべきことは山積みです。早めに準備を始めることが肝心です。
近年、民法が改正され「10年」という期限がより重要になりました。主に2つのルールがあります。
これらの「10年ルール」は、長期間放置された相続関係を確定させ、トラブルを防ぐためのものです。相続手続きを先延ばしにすると、本来主張できたはずの権利を失うリスクがあることを覚えておきましょう。
相続が始まったら、まず何をすべきかを順を追って整理することが大切です。
相続開始後のおもな手続きの流れは以下のとおりです。
ここでは、相続開始後の手続きの流れについて解説します。
【ステップ1:死亡届の提出(死亡の事実を知った日から7日以内)】
まずは市区町村役場に死亡届を提出します。通常は葬儀社が代行してくれますが、火葬許可証の申請も同時に行うため、期限内に必ず行いましょう。
【ステップ2:遺言書の有無の確認】
遺言書の有無によって、その後の手続きが大きく変わります。遺言書があれば、原則としてその内容に従って遺産を分けることになります。
自筆証書遺言を自宅などで発見した場合は、勝手に開封してはいけません。家庭裁判所で「検認」という手続きが必要になります。
参照:遺言書の検認|裁判所
【ステップ3:相続人の確定】
誰が法的な相続人になるのかを確定させるため、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本(除籍謄本、改製原戸籍謄本)を取得します。
これにより、前妻の子や認知した子など、把握していなかった相続人の存在が判明することもあります。
【ステップ4:相続財産の調査】
遺産分割の対象となる財産をすべて洗い出します。
預貯金は金融機関で残高証明書を、不動産は市区町村役場で名寄帳や固定資産評価証明書を取得して調査します。借金については、信用情報機関に情報開示請求を行うのが有効です。
財産調査の結果を踏まえ、相続人それぞれが相続方法を決定します。
【ステップ6:遺産分割協議と協議書の作成】
遺言書がない場合、相続人全員で「誰が」「どの財産を」「どれだけ」相続するのかを話し合います。
この話し合いを遺産分割協議といい、全員が合意したら、その内容をまとめた遺産分割協議書を作成します。この協議書には相続人全員が署名し、実印を押印します。
【ステップ7:各種名義変更・相続税申告】
遺産分割協議書や遺言書に基づき、不動産(法務局)、預貯金(金融機関)、自動車(運輸支局)などの名義を被相続人から相続人へ変更します。
そして、遺産総額が基礎控除を超える場合は、相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内に相続税の申告・納付を完了させます。
相続開始にまつわる疑問は、実際のケースによってさまざまです。
よくある相続開始に関する疑問とその対処法は以下のとおりです。
ここでは、相続開始に関するよくある疑問について解説します。
相続放棄の期限の起算点となる「知った日」は、非常に重要な日付です。万が一、期限を過ぎていると指摘された場合に備え、客観的な証拠を残しておくことが望ましいです。
証明となりうるもの
基本的には「いつ、誰から、どのような方法で死亡の事実を知ったか」を具体的に説明できることが重要です。証明が難しい場合は、弁護士などの専門家に相談しましょう。
孤独死の場合、発見日と死亡日が大きくずれることがあります。この場合のルールは以下の通りです。
たとえ死亡から数ヶ月が経過していても、相続人がその事実を知った日から3ヶ月以内であれば、相続放棄は可能です。
災害や長年の行方不明で、正確な死亡日が分からないケースもあります。この場合、戸籍には「死亡日不詳」や「令和〇年〇月〇日頃死亡」と記載されます。
相続登記(不動産の名義変更)では、この「〇日頃」といった曖昧な日付では手続きができません。
そのため、利害関係人(相続人など)が家庭裁判所に対して「死亡日認定の申立て」を行い、裁判所に死亡日を確定してもらう必要があります。その審判書を添付することで、相続登記が可能になります。
被相続人に多額の借金があるなど、関わりたくない・絶対に相続したくない場合は、「相続放棄」が唯一の確実な方法です。
繰り返しになりますが、相続放棄は「自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内」に、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に申述書を提出する必要があります。
【注意】相続放棄ができなくなる行為
相続放棄を検討している間に、うっかり「単純承認」とみなされる行為をしてしまうと、放棄ができなくなります。以下の行為は絶対に避けてください。
相続手続きには多くの専門知識や書類対応が求められ、状況によっては個人での対応が困難になることもあります。
専門家に相談すべきかどうかの判断ポイントは以下のとおりです。
ここでは、専門家への相談の判断基準について解説します。
以下のような状況では、ご自身で手続きを進めるのが困難な場合があります。専門家のサポートを受けることを強く推奨します。
司法書士は、複雑な財産の調査・評価や、難解な戸籍の収集を正確に行うことができます。
相続は、時に親族間の関係を壊してしまう「争続」に発展することがあります。トラブルを未然に防ぎ、円満な解決を目指すためにも、専門家の介入が有効です。
このような場合も、法律の専門家への相談を検討しましょう。
相続手続きは、非常に時間と手間がかかる作業です。また、ご家族を亡くした悲しみの中で、複雑な手続きを進めることは精神的にも大きな負担となります。
司法書士などの専門家は、あなたの代わりに必要な手続きを迅速かつ正確に進めてくれます。費用はかかりますが、それ以上の時間的・精神的なメリットを得られるケースは少なくありません。
相続開始は、単なる日付ではなく、守るべき期限と数多くの手続きが始まる合図であることがお分かりいただけたかと思います。
「3ヶ月以内」の相続放棄の判断から、「10ヶ月以内」の相続税申告、さらには遺産分割協議や各種名義変更まで、やるべきことは多岐にわたります。
これらを期限内に、かつ正確に進めることが、意図せぬ借金の承継を防ぎ、相続人間のトラブルを回避する鍵です。
計画的に手続きを進めることで、精神的な余裕が生まれ、故人を偲ぶ時間を大切にすることにも繋がるでしょう。
一方、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本をすべて集め、各地に散らばる財産を漏れなく調査し、相続人全員の合意を取り付けて遺産分割協議書を作成する、といった一連の手続きをご自身ですべて行うのは、決して簡単なことではありません。
もし少しでも手続きに不安を感じたり、ご自身の状況で何が最善か迷ったりした場合は、一人で抱え込まずに専門家へ相談することをご検討ください。
相続手続きは非常に複雑で時間がかかる手続きです。また仕事や家事で忙しい合間に手続きをするのはとても労力がいることです。
など「どうしたらいいか分からない」という事態に陥りやすいのが相続手続きです。
率直に言わせていただくと、これらは初めてやる方にはとても大変な作業です。
時間も手間もかかります。相続人が知らない預貯金や不動産を調査しなければ数年後に困った事態が発生することが多くあります。
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司法書士・行政書士
福池達也
司法書士試験に合格後、司法書士法人にて研鑽。
家族の相続時、金銭により人間関係が悪くなる辛さを身をもって経験し、よりご相談者に寄り添った仕事をするために独立。相続手続をまるごとお任せいただけるサービスを行っている。
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