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こんにちは。【札幌相続遺言プラザ】ふくちたつや司法書士・行政書士事務所の福池達也です。
「親が亡くなり、日本の実家を相続することになったが、自分は海外在住。何から手をつければ良いのだろう…」
海外にお住まいの方が日本の不動産を相続されるケースは、近年ますます増えています。しかし、日本国内に住んでいる場合の相続と比べて、手続きの進め方や必要書類、税金の扱いなどが異なり、戸惑う方も少なくありません。
特に、物理的な距離や時差、日本の法律・税務に関する知識不足などが、大きな不安要素でしょう。
本記事では、海外に居住しながら日本の不動産を相続することになった方に向けて、相続発生後の初期対応から、手続きの全体像、必要書類、相続税の基本、遺産分割協議、不動産の名義変更、そして相続した不動産の管理や処分に至るまで、一連の流れと注意点を分かりやすく解説します。
相続が発生した直後は、精神的な動揺の中でも、期限のある重要な手続きが多く発生します。特に海外在住者にとっては、物理的な距離や言語の壁があるため、計画的かつ的確な対応が必要です。
相続発生後の対応は以下のとおりです。
ここでは、相続発生後の初動対応と手続きの全体像について解説します。
まず、日本にいるご親族や関係者と連絡を取り、以下の情報を速やかに確認しましょう。
これらの情報は、今後の手続きの方針決定に不可欠です。電話、メール、ビデオ通話などを活用し、正確な情報を集めましょう。
日本の不動産相続の大まかな流れとスケジュール感は以下の通りです。海外在住の場合、書類のやり取りに時間がかかることを考慮し、余裕を持った計画を立てましょう。
あくまで目安であり、相続人の数や財産の種類、遺産分割協議の進捗状況などによって、全体の期間は大きく変動します。
特に海外在住者は、各手続きで日本国内の相続人よりも時間を要する傾向があることを念頭に置きましょう。
まず「誰が相続人か」を法的に確定させるため、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍謄本などを収集します。これらは被相続人の最後の本籍地の市区町村役場で取得できます。海外からは、日本の親族や専門家(行政書士、司法書士)に代理取得を依頼するのが一般的です。
相続人が確定したら、他の相続人全員と連絡を取り、協力体制を築きます。海外在住の場合、メール、電話、ビデオ通話などで確実に連絡が取れるようにし、時差を考慮したコミュニケーションを心がけましょう。情報共有を徹底し、必要であれば日本国内の相続人に窓口役を依頼することも検討します。
海外在住であっても、日本国内に不動産などの資産を相続する場合には、一定の条件のもとで日本の相続税が課される可能性があります。相続人や被相続人の居住地・国籍によって課税範囲が異なるため、制度の理解が重要です。
日本の相続税に関する基本的な事項は以下のとおりです。
ここでは、日本の相続税制度について解説します。
結論として、海外居住の相続人であっても、被相続人が日本国内に不動産などの財産を残して亡くなった場合、その日本の財産に対しては原則として日本の相続税が課税されます。
納税義務は、おもに被相続人と相続人の居住地や国籍で判断されます。
例えば、被相続人が日本国内に居住していた場合、相続人が海外居住(日本国籍あり、過去10年以内に日本に住所なし、または日本国籍なし)であれば、原則として国内財産のみが課税対象です。しかし、相続人が日本国籍を有し、過去10年以内に日本に住所があった場合は、国内外全ての財産が課税対象となることがあります。
相続税には基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)があり、遺産総額がこれを下回れば相続税はかからず申告も原則不要ですが、不動産は高額なため注意が必要です。
日本の相続税の申告・納税期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月以内です。これは海外在住者も同じです。
おもな手続き方法は以下の通りです。
「海外に10年以上住んでいれば日本の相続税はかからない」という話は、「非居住者10年ルール」に関連します。このルールが適用されると、日本の国内財産のみ課税、または日本の相続税が一切かからないケースがありますが、適用条件は非常に複雑です。
被相続人と相続人双方の国籍、日本国内・国外の居住期間(特に相続開始前10年~15年の状況)などが細かく問われます。例えば、被相続人が継続して海外居住し、相続人が日本国籍を有していても相続開始前10年以内に日本に住所がなければ、国内財産のみ課税となる場合があります。
注意点として、「住所」は生活の本拠地で実質判断され、このルールは頻繁に改正されるため、相続開始時期によって適用ルールが異なります。自己判断せず、必ず税理士などの専門家に確認しましょう。
海外在住者が日本の相続手続きを進めるには、日本国内で一般的に求められる書類の代替や、海外からの取得方法を理解しておく必要があります。特に在外公館で取得できる証明書類の活用が重要です。
国外在住者に必要なおもな書類と取得方法は以下のとおりです。
ここでは、国外在住者に必要な書類とその取得方法について解説します。
日本では遺産分割協議書などに実印と印鑑証明書が一般的ですが、海外在住で日本の住民登録がない方は印鑑登録ができず、実印も印鑑証明書も発行されません。
この場合、実印の代わりに「サイン(署名)」を用い、そのサインが本人のものであることを証明する「サイン証明書(署名証明書)」を、居住地の日本の在外公館(大使館や総領事館)で取得します。原則本人が出頭し、領事の面前で署名します。
不動産の相続登記などでは、相続人の現住所を証明する書類が必要です。日本の住民票がない海外在住者は、「在留証明書」をサイン証明書と同様に在外公館で取得します。これは、申請者が海外のどこに住所を有しているかを証明するものです。
これらの書類収集は時間がかかるため、早めの準備が大切です。
相続人が複数いる場合、「遺産分割協議」で財産の分け方を決め、合意後に不動産の名義変更「相続登記」を行います。
相続人が複数いる場合、遺産の分け方を協議し合意する「遺産分割協議」が必要です。合意後には、不動産の名義変更手続き(相続登記)を行う必要があり、特に海外在住者には円滑に進めるための工夫が求められます。
遺産分割協議から相続登記までの流れは以下のとおりです。
ここでは、遺産分割協議と相続登記の進め方について解説します。
海外在住者が参加する遺産分割協議を円滑に進めるには工夫が必要です。
遺産分割協議がまとまったら「遺産分割協議書」を作成します。海外在住者は以下の点に注意しましょう。
遺産分割協議書に基づき、不動産の名義を被相続人から相続人へ変更する「相続登記」を不動産所在地の法務局に申請します。相続登記は2024年4月1日から義務化され、相続により不動産を取得したことを知った日から3年以内の申請が必要です。
おもな手順
相続登記は専門知識が必要で煩雑なため、特に海外在住の場合は司法書士への依頼が確実です。手続き代行、正確性の担保、時間と手間の削減といったメリットがあります。
参照:所有者不明土地の解消に向けた民事基本法制の見直し(民法・不動産登記法等一部改正法・相続土地国庫帰属法)|法務省
相続した不動産は、維持・活用・売却など複数の選択肢があり、それぞれに必要な手続きや税務対応があります。海外在住者にとっては、距離の壁を考慮した対応や信頼できる代理人の選定が重要です。
不動産の取り扱いに関するおもな選択肢とポイントは以下のとおりです。
ここでは、不動産の管理・活用・売却について解説します。
海外にいながら日本の不動産を所有し続ける場合、適切な管理が重要です。
管理を怠ると、不動産の価値が下がるだけでなく、特定空き家等に指定されて固定資産税の優遇が受けられなくなったり、最悪の場合は行政代執行による解体費用を請求されたりするリスクもあります。
参照:空家等対策の推進に関する特別措置法関連情報|国土交通省
参照:固定資産税|総務省
相続不動産を賃貸に出すのも有効な活用法です。
賃貸に出すことで安定した収入が期待できますが、空室リスクや入居者トラブル、修繕費用の発生なども考慮に入れるようにしましょう。
利用予定がない、管理が難しい、現金化したい場合は売却も選択肢です。
不動産売却は大きな取引なので、信頼できる不動産会社や専門家と連携しましょう。
参照:No.3202譲渡所得の計算のしかた(分離課税)|国税庁
海外在住者が相続手続きを進めるには、日本国内での対応が必要になる場面も多く、専門家や制度のサポートを受けることでスムーズに進められます。的確な判断と早めの相談が、トラブル回避のカギとなります。
相談やサポート体制に関するおもな内容は以下のとおりです。
ここでは、相談先や連絡手段について解説します。
手続きの進め方が分からない、日本での手続きが困難、相続人間で意見がまとまらない、相続税申告が必要、相続放棄を検討している、といった場合は早めに専門家に相談しましょう。
まずは司法書士や税理士に相談し、必要に応じて弁護士を紹介してもらうという流れも一般的です。
海外に居住している相続人が日本の不動産を相続した場合、相続税の申告・納税や、その後の固定資産税の納税義務が生じることがあります。
このような場合、原則として日本国内に納税管理人を選任し、所管の税務署や市区町村役場への届け出が必要です。
司法書士は相続登記をはじめとする相続手続き全般の専門家であり、納税管理人の選任が必要な状況や、その手続きの流れについてアドバイスを行うことができます。
相続手続き全体のご相談の中で、納税管理人の選任が必要になった場合、司法書士にご相談いただくことも可能です。
相続財産に借金が多い場合などは「相続放棄」を検討できます。これはプラスもマイナスも一切の財産を相続しないことです。
期限は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内に、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に申述します。海外在住で書類準備に時間がかかる場合は期間伸長の申立ても可能です。
手続きは、相続放棄申述書や戸籍謄本などを家庭裁判所に提出します。一度受理されると原則撤回できません。相続財産の一部処分で放棄できなくなるため注意が必要です。
期限が厳格で書類作成も正確性が求められるため、弁護士や司法書士に依頼するのが確実です。
参照:相続の放棄の申述|裁判所
海外にお住まいの方が日本の不動産を相続される際には、国内での手続きとは異なる多くの課題に直面することがあります。書類の取得方法、サイン証明書の準備、国際的な税務の取り扱い、他の相続人とのコミュニケーション、そして物理的な距離や時差など、乗り越えるべきハードルは決して少なくありません。
これらの複雑な手続きをすべてご自身で、しかも海外から進めるのは大変な労力と時間を要します。また、誤った情報に基づいて手続きを進めてしまうと、後々予期せぬトラブルに発展したり、余計な税金を支払うことになったりするリスクも否定できません。
確かに、相続手続きは戸籍謄本の収集から始まり、遺産分割協議、不動産の相続登記、そして場合によっては相続税の申告・納税に至るまで、多くの段階を踏む必要があります。特に国際相続が絡む場合は、法律の解釈や税務の取り扱いが一層複雑になることも少なくありません。これら全てに個人で的確に対応するには、専門的な知識と多大な労力が必要となるのが現実です。
もし手続きの進め方やご自身での対応に不安を感じたら、決して一人で悩まず、相続問題に精通した専門家にご相談ください。
相続手続きは非常に複雑で時間がかかる手続きです。また仕事や家事で忙しい合間に手続きをするのはとても労力がいることです。
など「どうしたらいいか分からない」という事態に陥りやすいのが相続手続きです。
率直に言わせていただくと、これらは初めてやる方にはとても大変な作業です。
時間も手間もかかります。相続人が知らない預貯金や不動産を調査しなければ数年後に困った事態が発生することが多くあります。
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司法書士・行政書士
福池達也
司法書士試験に合格後、司法書士法人にて研鑽。
家族の相続時、金銭により人間関係が悪くなる辛さを身をもって経験し、よりご相談者に寄り添った仕事をするために独立。相続手続をまるごとお任せいただけるサービスを行っている。
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